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与太話アンド Assorted Love Songs

光る

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木漏れ日

雑木林が好きだ。 昔からずっと。 新緑のころ、 秋の紅葉、初冬の枯葉の林、 それから冬の葉を落とした木立も。

秋の午後、柔らかな低い日差しが枝や残った枯葉の間から木漏れ日となって落ち葉の積もった地面に落ちている。そんな中を歩いていると 時折そこここで目の端にきらりと光るものがある。 しかし光を見つけて踏み出すとすぐにそれは消えてしまう。 

あるものはプリズムのように今まで見たことがないような光を発している。 それは一ヶ所にとどまらず歩き出すたびにその場所を変えてゆくようだ。  気がつくと今度はまた別のところで視界の端に光るものを感ずるのだ。 そしてそちらに向かって歩き出すとまたそれは消えてしまう。 

光るそれはいったいなんだろうと、まるで宝探しのような気分で雑木林の中を探しまわったのだった。 そしてとうとう歩きつかれて落ち葉の上に腰を下ろした時に、ふと足元の落ち葉の間をひそやかに流れる水が一瞬きらりと光ったことを見つけたのだった。