Last-mile Delivery

与太話アンド Assorted Love Songs

忘れてしまった思い出は

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雨の朝

 

昨日モクセイの事なんてをかいたせいだろうか 昔見た夢のことを思い出してしまった。

 

高校生時代に好きだった女の子の出てくる夢を見たのだ。 すくなくとも記憶にある限りこのヒトの出てくる夢を見たことはない。 しかももうずいぶんと遠い昔の話だけど、なぜ急にこんな夢を見たのかな。 何が引き金になっていたのだろう。 やはりモクセイの香にむすびつけられた記憶のせいだろうか。 ちなみに夢の中にでてきた姿は少なくとも17歳ではなかった。 現在の自分の年でもない。(だったら少し怖いな…)それでもイメージが凝縮していた。 

夢の内容は支離滅裂だ。 その彼女が家を訪ねてきて、何かを貸してほしいという。 すると(なぜか家に昔の会社の同僚がいて)彼が帽子か何かを貸してあげるよ という。 帽子をかぶる姿を眺める自分。すると彼女はその帽子をかぶってどこかへ出かけてしまうのだ。 

自分もその後どこかへ出かけてしまい、そして彼女が帽子を返しに来た時に また会えるのではないかというひそかな期待と共に家に帰った。 帰宅して まだ家にいた(まだいるのだ なぜだ)同僚に “彼女 来た?” と聞くと “来たよ” という返事。 

 “自分の事 何か聞いてなかったか?” とか いろいろ聞いてみたいことがあったのだが、そばに父親(10年以上前に他界)がいて、 なんだかそんなことを聞き出すのも女々しいようで恥ずかしく 聞くことはできなかったのだ。 そしてああ もう会えないなと思い 深い喪失感のようなものを感じたのだ。   

目がさめると喪失感はそのままだが いつものように飯を食い身支度をして職場に向かった。 昨日と同じ曇天の空の下を歩きながら夢を反芻する。 すると忘れていた記憶がいろいろよみがえってきて、しばし思い出に耽ってしまった。………

事務所についてもまだ余韻が残っていて、PCに向かって名前といくつかのキーワードを入れて検索したけれど どうやら同姓同名で有名な女子柔道選手がいるようで出てくる記事はそればかりだった。 そもそも高校も違うし彼女は自分の通っていた高校の通りを挟んで反対側の都立高校だった。 大学も違う。 消息なんて知る由もない。 忘れてしまった思い出は何も語らないけれど 思い出してしまったことは いろいろなことを語りかけてくる。 当たり前だけど。 

昔の知り合い探しなんていう商売があるようだけど 頼んでみようかな なんてふと思ったりしている。