Last-mile Delivery

与太話アンド Assorted Love Songs

3月6日 (月)

東京曇り。昨日作成した税金関連の書類がある。e-taxをしない自分の選択肢は郵送か持参かだ。税務署は仕事場へ行く方向とは逆だ。迷ったが 書類提出に税務署へゆくことにした。税務署はある私鉄のB駅というところにある。ここは懐かしい駅だ。

税務署で書類を提出し B駅にもどる。高校時代の通学途中で乗り換えをする駅。たった一つの思い出だけがこの駅を懐かしい駅にしている。当時高校へはここで電車を乗り換え2駅先のY駅から歩いていた。

高校3年のもう大学入試も一通り終わり もちろん授業などないある日 何かの用事で学校に行ったとき。ホームに人はあまりいなかったから多分遅い朝の時間だろう。何をしに学校に行ったか覚えていないが乗り換え線のホームへの階段を下りているとホームに当時ココロを寄せていた件のヒトがいた。彼女は当時自分が通っていた軟弱私立男子校の道路を挟んで対面にある優秀な都立校生だ。ココロを寄せていると言っても見ず知らずの彼女に図々しく話かけたりしただけなのだが。その時はなんとなく拒否されている感じがあって(まあそこまで意識もされていないのだろうけれど)声をかけることができなかった。

遠い昔のちょうど3月の 卒業まであとわずかなある日。自分は少し離れた大学に入学することになっていたから もうこうして出会う機会もないだろうなと思い声をかけなかったことを後悔しつつ悲しくて家に帰り Rolling Stonesの I am waitingを聞いていたな。まさにセンチな軟弱高校生そのものだった。まだそんなことを覚えているのだ。

さて駅に戻り昔の事を思い出し 一瞬仕事場へ行く方向とは逆の乗り換え線にのってそこから2駅のY駅まで行ってみようかという思いがよぎる。このY駅を降りると駅前の広い道路から都立校生は右側 じぶんたち軟弱私立高校生は左側をあるくので駅で泣き別れだ それぞれの高校によりここで完全に通学路分かれるのだ。

あの3月の日 もしあの時声をかけていたらどうなっていたのかなどという無学な思いにしばしひたる。しかし しばし考えたのち午前中にやらなければならない仕事を思い出し現実に帰り結局仕事場へ向かう電車に乗ったのだ。