快晴 ひな祭りの日 毎年確定申告の時期 e-taxをしない自分の選択肢は相変わらず税務署へ郵送か持参かだ。税務署はある私鉄のB駅というところにある。ここは懐かしい駅だ。高校時代乗り換えをする駅。そしてたった一つの思い出だけがこの駅を懐かしい駅にしている。
高校3年の春休み。大学入試も一通り終わり もちろん授業などない卒業前のある日。何かの用事で学校に行ったとき。人はあまりいなかったから多分遅い朝の時間だろう。何をしに学校に行ったか覚えていない。乗り換え線のホームへの階段を下りているとホームに当時ココロを寄せていた件のヒトがいた。彼女は当時自分が通っていた軟弱私立男子校の道路を挟んで対面にある優秀な都立校生だ。ココロを寄せていると言っても見ず知らずの彼女に図々しく話かけたりしただけなのだが。その時はなんとなく拒否されている感じがあって(まあそこまで意識もされていないのだろうけれど)声をかけることができなかった。
遠い昔のちょうど3月の 卒業まであとわずかなある日。自分は少し離れた大学に入学することになっていたから もうこうして出会う機会もないだろうなと思い声をかけなかったことを後悔した。悲しくて家に帰り Rolling Stonesの I am waitingを聞いていたな。まさにセンチな軟弱高校生そのものだった。まだそんなことを覚えているのだ。毎年この時期になると思いだす。人は何かしなかった後悔の方をよく覚えているというが本当だ。