Last-mile Delivery

与太話アンド Assorted Love Songs

Kiasuなひとたち

ずいぶんと前 東南アジア某国に7年近く住んでいたことがある。 お世話になった方多数、今も付き合っている友人も多くいる。 公私ともにいろいろな思い出もある。 だから僕はこの国の人々にかなり強い親近感と好意を持つ者の一人だ。 今でもホッカーセンターに行けば全くローカルと同じようにふるまえるだろう。(と思う)
当時のこの国の人々の気質を表す言葉として “Kiasu”=キアスというものがあった。 

 

キアス=簡単にいうと 負けたくない、機会があるのに損をしたくない、自分が中心 という気分やその結としての行動の様 とでもいうのだろうか。 あるいは 常に他人と比較して少しでも有利な状況でいようとすること。

これは当時その国の人々の気質を表す上でよく言われていたことであって、もちろん皆がいつもそうであるということではない。またこの気質は 恐らく7割以上の人々が公団住宅に住むような ある意味一様な階層社会であるこの国のなかで日々の小さな競争のなかで存在感を見出すというところから生まれたものだ なんていうチープな解釈もできるのかもしれないがそんなつもりもない。 自分だってキアス的な気分やそういう行動をしたことがないか と言えば、そんなことは日々沢山あるのだから。 

キアス的なこと、について 昔の日記に書いてあったこと(多分これも一部どこかの受け売りかもしれないが)を羅列すると、

* 無料や割り引きセールがあると行列する
* 無料と聞くと無節操に手に入れようとしたり、乱雑な扱いをする。
*割り込み運転、また方向指示器をださないか出していても大体いい加減で、信じると危険
*進路変更しようとすると、させないよう隣のレーンの車が加速する。
*ウエイトレスは レストランで食べ終わった(と思われる)食器を無断でかたづける。
*間違い電話に気づいた途端 黙ってきる。

これは決して否定的な事をあげつらうのが意図ではなく、すこしねじれた愛情表現であると言ってもよいかもしれない。大体もうずいぶんと前の事であるから今は随分と変わっているだろうし、昔の事を事を書く事自体フェアではないと思うが、あるきっかけで急にこのことを思い出したのだ。