Last-mile Delivery

与太話アンド Assorted Love Songs

ストランゲージ30番地

ずいぶん昔の日曜の朝 NHKの教育TVでやっている日曜美術館(だったか)と言う番組をたまにみていた。特にその最後のコーナが アートシーンというコーナーで展示会スケジュールなどを紹介していて、いろいろなカテゴリの展示会を間接模擬体験できた。 ごくまれにこれを見て美術館に足を運んだ事が何回かあった。そして当時番組アシスタントだった 女性モデルのヒト(はな 女史)が アートシーン と切り出すところが好きだった。

たしかそのコーナで紹介されていたのが ハンマースホイ と言う画家。絵画鑑賞は好きだが趣味として追及するというところまでは行かない、それでも好きな画家の画集は何冊か買っている と言ったレベルだ。しかしこの画家の絵をテレビで見ていっぺんに好きになってしまった。 

番組の中の解説では こう言っていた。  “ここにあるのは恐ろしいような静寂である” 何もない部屋の絵。太陽の光がななめに差し込む部屋。ある絵では椅子に座り後ろを向いた女性の姿。そしていくつかのドアが開け放たれた続き部屋の風景。人は誰もいない。ある絵ではピアノを弾く女性の後ろ姿。多くの後ろを向いた女性の絵からは 何か深い拒絶感と諦めのようなものが漂ってくる。そして何かとても不幸な印象がある。 それがあまりに不幸に見えるので自分がどこかでもっている潜在的、あるいは顕在的な悲しみと同化して やがて昇華されるようにも思える。(人の大きな不幸と自分とを比較するということは許されざるべき事ではないが、絵画から受ける心象の話なので..)

それにしてもこの画家は何を思いこの女性たちの後ろ姿を描いたのだろうか。 繰り返しになるが自分にはこの女性の後ろ姿が、とてつもなく怖い。そして悲しい。

 

Strangauge 30th