Last-mile Delivery

与太話アンド Assorted Love Songs

文化への違和感がワタシをこの街から遠ざけた

サッカーU23の準決勝の相手はイラクになったようだ。少し前仕事の関係でこのIQ国の大使館に行った。場所は渋谷区神山町。ぜんぜんなじみのないところ。地図で見ると 井の頭線の神泉と渋谷からちょうど同じような距離に見える。渋谷の雑踏の中 正しい道を探してゆく自信がなかったので 神泉から歩いて行くことにした。

子供のころ たまに親に連れられ渋谷に行くことがあった。この時使うのは井の頭線。 電車は渋谷に着く前に一度トンネルに入り 暗いじめじめしたかんじの駅に止まる。 それが神泉という駅で ホームの向こうには電球に照らされ ぬれて光っている石の壁が見えた。神泉を出ると電車はまたトンネルに入りそれを抜けたところが渋谷だった。 神泉の薄暗いトンネルを抜けて渋谷駅のホームに降り立つと うってかわった都会の景色があり どこからか洋食の匂いが漂ってきてすこしわくわくしたのを覚えている。 

さて初めて降りる神泉の駅。今はもはやそのような暗い雰囲気はない。グーグルマップを頼りに歩き始める。しばらく歩くと道はやがて上り坂となり周りは大きな屋敷が並び、超高級住宅街になってくる。住所を見ると渋谷区松濤となっている。名前は知っているが ああこのあたりがそうなのだなと。それにしても坂が多い。思えば神泉のトンネルもそういう地形の中で生まれたもののなのか。 さて目指す大使館はアップダウンを2回くらい繰り返した静かな住宅街の中にあった。 

ある問合わせで訪問したのだけど 日本語ができる アラビアンナイトにでてくるような女性と片言の英語をしゃべるきちんとスーツとネクタイをしめた偉そうなおじさんがでてきた。なかなかコミュニケーションが難しかったが親切な対応をいただき 感謝である。オフィスのユーテリティというかそういう関係はフィリピン人ワーカーがいて大使館の中はおれの知っているよく見る中東の風景だった。 

帰りは渋谷まで歩いてみた。 駅に近づくにつれ人が増えてくる。若い女性のグループ、心なしか険しい表情をして歩いている男が多いようで少し怖い。なんだか居心地が良くない。渋谷は遠い昔通学で4年間経由していたが 降りたことはほとんどなく 仕事でも縁のないところ。このあたりの酒場もほぼいったことはない。これからも行くことはないだろう。あるの人の言葉を借りて言うと 文化への違和感がワタシをこの街から遠ざけた ということか なんて大げさなだな。おれはただのジジイになったということだろう。でもそういうところはいくつかある。インシャラー。